02テナント店舗の賃貸借契約の解除の最近のブログ記事
店舗の賃貸借契約期間の満了前に契約が解除されることは、よほどのことがない限り、極めてまれなことです。
借地借家法26条1項では「建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。」とされており、期間満了の1年前から6ヶ月前までであれば、契約解除を自由に申し出ることができるかのように思われます。
しかし、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。
とされており、正当な理由がなく、一方的に店舗の賃貸借契約を賃貸人が解除することはできません。しかし、家賃を何か月分も滞納するなど賃貸借契約を守らなければ、契約を解除されても文句は言えません。また、賃借人に近隣に迷惑をかける行為があったり、違法行為や不法行為を行った時などには、店舗の賃貸借契約を賃貸人が解除することができます。
例えば、分譲マンションの1階にある賃貸のスナックが県条例に違反して、深夜3時までカラオケ騒音を撒き散らし、何度も注意を受けながらも繰り返していた事例で、賃貸人の契約解除と建物の明け渡しが裁判所で認められています。
最近の店舗の賃貸借契約では、賃貸権や営業権だけの譲渡がほとんど認められていません。このため、せっかく高い内装工事をしても、解約すれば無駄になってしまう可能性もあることから、考え出されたのが造作譲渡の方法です。
これは賃貸店舗の造作や備品を、賃借人の承諾を得て、新たな賃借人に売り渡す費用のことで、いわゆる居抜き店舗の賃貸借の際によく見ることができるものです。譲渡する側は、すべての造作、備品を譲渡してもよく、自分の譲渡したいものだけを譲渡することも可能です。
造作備品を購入する側としては、造作備品自体が使用可能なのか、数量が足りているのか、あるいは自分がイメージする店舗にマッチするのかなど細かくチェックすることが大切です。
店舗の場合は、内部にその店舗用の造作がほどこしてあり、備品があります。この造作と備品を売買する契約が造作譲渡契約です。造作譲渡は、あくまで前の賃借人と新しい賃借人との間で行うもので、賃貸人との賃貸借契約とは別のものです。しかし、実際には賃貸借契約を結ぶと賃借権が発生するので、あえて造作譲渡契約書を作成しない場合もあります。
賃貸物件の原状回復については、賃借人と賃貸人との間でトラブルが発生することがしばしばあります。
賃貸店舗の破損等の修繕については、法的にオーナーが負担するのが原則です。オーナーが収受する賃料は、賃借人の通常の使用・収益に対する対価として修繕費用なども含まれているはずであるという建前によるものです。したがって、賃賃貸借契約において「原状回復義務の特約」が定められていない限りは、賃借人に原状回復義務は発生しません。
また、賃貸借契約書に原状回復の特約条項を記載したからといって、賃借人はどんな原状回復義務でも負うわけではありません。本来はオーナーが負担するべき修繕費用などを借主負担とするものですから、通常の使用に伴って生ずる自然的消耗は原状回復義務の対象となりません。
しかし、この特約についての明確な説明をした上で両者の合意がなされているならば、原状回復特約によって自然損耗・経年劣化についても賃借人にその修繕費用を負担させることができます。適切な説明と合意がなければ、原状回復特約は、効力が認められない場合があります。
また、いくら当事者間で合意があったと認められても、例えば「賃借人は、本物件をその費用と責任で、本物件の竣工当時の状態に復した上で賃貸人に明け渡す」などという明らかに社会的妥当性を逸脱するような内容では公序良俗違反として、その合意は無効とされます。